改正電気通信事業法という法律をご存じですか?
法律名ではピンとこなくても、その内容をきけば思い出すかも。
結論からいうと、
「2019年9月以前にスマホを契約した人は契約変更したほうがいい」という話です。
年々使い勝手が良くなっている通信会社との契約
スマホにかかわる「2年縛り」という制度があります。月々の料金がお得になる代わりに、「2年間は使い続けるよ」という約束をする契約のことです。
この縛りはいつでも抜けることができるのですが、更新期間以外では違約金を支払わなくてはいけません。かつては、その金額が約1万円ほどと高額で、事実上通信会社を変えさせない防波堤の役目を果たしていました。
こうしたユーザー囲い込みに関しては、国からの働きかけで少しずつ細かな改正が続けられていたのです。例えば・・
・SIMロックの解除(自社しか使えないようにロックしていたものを原則オープン化)
・2年縛りの無料解除期間の拡大(当初1カ月⇒事前通知のうえ2~3カ月)
・違約金の大幅値下げ(約1万円⇒1,000円)
・期間縛りでのメリットを最大で月170円と決定
SIMロック解除は2015年ですので、まだ5年ほどしかたっていません。違約金の引き下げに至っては2019年6月の提案、10月施行でした。これが冒頭にご紹介した改正電気通信事業法のことです。
ちなみに菅内閣ではMNP(ナンバーポータビリティ)の手数料3,000円も引き下げると表明しています。(2020年9月現在)
通信業界は電波という認可の世界なので、上からの圧力には対抗できないでしょう。わりと早い段階で実現すると思われます。
古い契約の内容は生きている!
問題は、この違約金の引き下げ等の取り扱いは「新契約にのみ」適用されているという点にあります。機種変更などの機会に説明を受けるケースもあるとは思いますが、それまでは大半の方はそのままになっているはずです。
そのため昨年秋以前に購入した場合には、MNP(ナンバーポータビリティ)で別の会社に移ろうとしたときなどで驚くことになるわけです。
不要になったスマホの解約でも同じことがいえます。
例えばドコモの場合、新しいプランのギガホ、ギガライトというサービスがあります。CMで見た覚えのある人も多いと思います。実は表記上は変わっていないのに、2019年10月1日の前後で契約内容が変わっています。新しい方の現サービスは内部的に「ギガホ2」と呼ばれているのです。
現時点でギガホ2にしていない限り、契約更新期間以外のタイミングでドコモをやめて格安SIMに移行しようとすると、違約金が9,500円発生します。(他にMNP手数料なども)
必要な対策は契約変更するだけ。ただし変更適用は月初のみ
「今後も変更する必要なし」という方でも、わざわざ古い契約を残しておく必要はないでしょう。ドコモとauでは、スマホからの電話だけで手続きできました。ちなみにソフトバンクは契約していないので未検証です。
今後、携帯代の見直しを考えているなら必須だと思います。ただし、機種ごとに設定された割引の存在など旧契約が有利に働いている場合もあります。各社のHPでシミュレーションをしたり、オペレーターの方に相談するなど、確認は十分に行ってくださいね。
契約変更は自己責任でお願いします。
主要3社の契約制度の変化 ~2019年秋からどう変わったか~
いずれも4Gの場合の月額で比較です。
ドコモの場合
ギガホ:6,980円 ⇒ ギガホ2:6,980円
ギガホ:8,480円 ⇒ ギガホ2:7,150円
「期間縛り」で通信会社が得られる利益は170円までに改正されました。そのため②は大幅に下がっていることがわかります。
一方で①には変化はないですが、違約金が9,500円から1,000円に引き下げられているわけです。
ギガホからギガホ2に変更しても、電話会社が変わるわけではありませんから、違約金の請求はありません。ただし月ごとの適用なのでご注意下さい。切り替わるタイミングは毎月1日となります。
補足ですが、さらに前のサービスである「パケットパック」なども存続しています。新規の受付が停止されているだけです。家族の使用状況によっては、パケットを家族で分け合う古い契約を維持した方が安いケースもあります。
auの場合
auデータMAXプラン: 8,980円 ⇒ データMAX 4G LTE:7,480円
auデータMAXプラン:10,480円 ⇒ データMAX 4G LTE:7,650円
ソフトバンクの場合
2019年9月13日より新プランが出たのですが、このとき期間縛りや解除料9,500円を廃止しています。
<注意>
説明の都合上、似たような契約の基本パターンのみ記載しています。実際にはデータ使用量、家族グループの人数、通信会社との継続期間、光回線等の付加サービスの有無などで別途値引きがあります。どこの通信会社が「安い」「高い」という比較のための資料ではありませんのでご注意下さい。